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裁判員裁判について

その他

今年の9月に、裁判員裁判で弁護人(国選弁護人)を担当しました。

国選弁護人は、資力の乏しい被疑者・被告人に国費で選任される弁護人のことです。
弁護人は、憲法で保障された被疑者・被告人の権利を守る役割を担っています。

費用は国が出していますが、国の機関である警察や検察官とは時に対立することもあります。
国がお金を出すのだから、国の言うことにそのまま従えとはなりません。
今話題になっている学術会議の問題も同じようなことだと思うのですがね。

2009年5月からスタートした裁判員裁判ですが、私は、過去に3回裁判員裁判を国選弁護人として担当したことがあります。
私が所属している静岡県弁護士会の静岡支部では、裁判員裁判対象事件の国選弁護人候補者専用の名簿が用意されています。
対象事件が発生した場合、この名簿にしたがって事件が配点されています。
名簿順に配点していけば良いのかも知れませんが、いつ事件が発生するか分からないため、待機している方も気が楽ではありません。
そこで、事件が配点される期間を、一定期間に区切って、名簿を回しています。
そのため、自分の担当期間に裁判員裁判の対象事件が発生しなければ、事件は配点されないことになります。

裁判員裁判の対象になる事件は、「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」の第2条で定められています。
1 死刑又は無期の懲役・禁錮に当たる罪に係る事件
2 法定合議事件(法律上3人の裁判官で裁判することが必要とされている事件)であって故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に関するもの
つまり、殺人とか、強盗殺人といった、重大な犯罪が対象になっています。

静岡県内では、浜松市を中心とする西部地区、沼津市を中心とする東部地区と比較して、静岡を中心とする中部地区では重大な犯罪が少ないと言われています。
対象事件がそれほど多くなく、名簿の巡り合わせもあり、5年ぶりの担当となったわけです。

裁判員裁判が導入される前、各地の裁判所では、裁判の進め方や問題点を検証するために、繰り返し模擬裁判が開かれていました。
私は、模擬裁判を2回担当しましたが、模擬裁判員から「早口だ。」「説明が分かりにくい。」などと厳しい指摘を受けたことを覚えています。
今でも、その時の反省を心にとめながら普段の弁護活動を行っています。

今日は、9月に担当した裁判員裁判についての非公式な協議会がありました。
来週には、議事は一般公開されないものの公式な協議会が開かれます。
まだ始まって10年少々の制度ですから、より良い運営のために、法曹三者(裁判所、検察庁、弁護士会)は絶えず努力をしています。
その際には、とうぜん裁判員裁判に参加された方の声も参考にしています。

もし、裁判員裁判に選ばれた場合、自分が参加することで制度がより良くなるのだという気概をもって参加して頂けるとありがたいですね。

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