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カーシェアリング事業への投資!?

消費者トラブル

先週末、株式会社東京商工リサーチが配信している記事に、カーシェアリングの会社が倒産したというニュースが流れていました。
真っ当な事業をやっていた会社であれば普通の倒産ということになるのですが、事は単純ではないようです。

この会社(A社とします。)の手口は以下のとおりです。
1 「もうかる副業がある」「投資になる」などと称して、個人との間でカーシェアリングの業務委託契約を結ぶ。
2 契約者はローン会社でローンを組んで販売業者から車を購入し、車の選定や購入手続はA社が代行する。
3 購入した車は、カーシェアリング事業を営む業者(B社とします。)に直接預けられ、B社が運用する。
4 B社からはローン相当分と、この車で得られた利益の5%程度が契約者に毎月支払われる。
5 契約者には、A社から契約謝礼金として30~50万円が支払われる。

こういう事業をやっていたA社とB社が倒産したため、多くの「契約者」が4、5をもらえず、車の所在も分からず、ローンだけ残って困っているというのがニュースの内容です。

消費者被害事件を多く取り扱っている弁護士からすると、「また同じような手口の被害が出てきたか。」となります。

上記の手口の4、5のような話が出てきたら、まず詐欺を疑うことです。
「ローンを組んで買ってもらいますが、当社がローン分を立て替えますので、実質負担は0円です。」「謝礼を払います。」というのは、詐欺的業者の常套文句です。

また、上記の手口では2の部分がとても危険です。
おそらく車の販売業者もA社やB社と通じており、古い車に不自然に高い値段をつけた見積書を出してローン会社の審査を通しています。
そうして、ローン会社から車の価格以上のお金を受け取り、差額はA社の利益になったり、別の契約者への支払いに充てられているものと思われます。
このケースでは、A社の被害者が、ローン会社に対する詐欺の「加害者」になっている可能性もあるのです。

もっとも、ローン会社には割賦販売法という法律で加盟店への調査義務が課されており、甘い審査を行っていたローン会社にも落ち度がある点は否めません。
A社の「被害」に遭ったという方は、ローン会社を巻き込んで解決を図っていくのが現実的な方法だと思います。

預金や現金を持っている比較的年配の方は、現金を詐取される被害に遭うことが多いのですが、預金や現金をあまりもっていない若年層の方は、今回の手口のようにローンを利用させられて被害に遭うことがとても多いというのが実感です。

私もクレジットカードを利用することがあるので、ローンを組んで物を買うこと自体は否定しませんが、手持ちの現金よりも大きな物が買えてしまうため、よく考えて(疑って)行動しないと取り返しのつかないことになります。
賢い消費者をはぐくむ消費者教育がとても大切だと常日頃考えているところです。

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