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自転車損害賠償保険への加入義務(静岡県)

交通事故

静岡というと富士山があったり、湧き水豊富な南アルプスがあったりと、山のイメージを抱いている方が多いかもしれません。

静岡市の市街地部分に限ると、平坦な場所が多く、傾斜の急な坂はほとんどありません。

そのため静岡市の市街地では自転車通勤・通学をされる方がとても多いのです。

しかし静岡市の市街地部分の道路、特に幹線道路は総じて路側帯が狭く、自転車の通行が許されている歩道も多くはありません。

道路交通法上、自転車は軽車両とされているため、歩道と車道の区別のあるところでは、原則として車道の左側に寄って走行しなければなりません。自転車で車道の右側を走行してはダメなんですね。

許可標識のある場所では、自転車も歩道を走行して良いことになっていますが、そうでない歩道を走行することはできないのです。

このことは案外知られていないようで、自転車走行不可の歩道で、ロードバイクや電動アシスト付きの自転車でビュンビュン飛ばしている方もいらっしゃいます。歩行者と接触すると大変危険ですので絶対にやめましょう。

実際、静岡県内では2018年の一年間に限っても3992件もの自転車が関係した事故が発生しています。

万が一、自転車で歩行者にぶつかって怪我をさせてしまうと、場合によっては莫大な損害賠償を支払わなければならなくなります。1億円近い賠償が命じられた裁判例もあるくらいです。

自動車を運転する人は、少なくとも強制保険である自賠責保険に加入していますが、自転車にはそのような制度はありません。保険に入るかどうかは自由とされていました。

そうすると自転車にはねられて重大な怪我を負った人ほど賠償額が高くなりますが、運転者側に資力がなく賠償を受けられなくなってしまうということになりかねません。

そこで、静岡県では、2019年3月に「静岡県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」が制定され、この年の10月1日からは自転車運転者等に損害賠償保険への加入が義務付けられました。

条例の施行から1年が経過し、県内の自転車保険の加入状況がどのようになっているのかはよく知りません(資料を確認していないだけです…)。

自動車任意保険や火災保険の特約で付加されている場合もありますが、ふだん自転車しか利用しない人は、加入の有無をいま一度確認しておいた方が良いでしょう。

とはいえ歩道をビュンビュン飛ばして走っている自転車を見ると、「保険に入っていない自転車にぶつけられたら嫌だなぁ。」と思ってしまいます。

職業病ですかね。

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